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たんぱく質のもとになるアミノ酸について徹底解説!ダイエットとの関係は?

2021年10月1日

アミノ酸について徹底解説、ダイエットとアミノ酸の関係

こんにちは!元医療従事者、アラサーダイエッターのえりです!

ダイエットに有益な情報を発信していきます☺

今回はたんぱく質をつくるもとになるアミノ酸について!

BCAA」などダイエットに良い?と言われているアミノ酸についてもわかりやすく解説していきたいと思います。

アミノ酸とダイエットの関係について理解が深まるような内容になっているのでぜひ読んでみてください。

アミノ酸とは?アミノ酸の定義

アミノ酸は体に必要な栄養素、という認識だけど、どういうものでどういう働きをしているのかな?

わたしは元医療従事者なので大学は医学系の学部だったのですが、その時に使用していた生化学の教科書にはアミノ酸について以下のような記述がありました。

一般にアミノ基(ーNH2)とカルボキシル基(ーCOOH)の両方をもつ有機化合物をアミノ酸と呼ぶ。
(中略)
数個(10個以下)のアミノ酸からなるものをオリゴペプチド、それ以上のアミノ酸が結合するとポリペプチドという。たんぱく質は数百から数千のアミノ酸からなるポリペプチドである。
(中略)
アミノ酸はたんぱく質の合成に利用されるが、他の生体成分の合成に用いられるものもある。利用された残りの余分のアミノ酸はエネルギー源として分解されるか、糖新生あるいは脂肪酸合成に利用される。また、飢餓状態や糖尿病など糖質がエネルギー源として利用できない場合にはたんぱく質が分解され、得られたアミノ酸がエネルギー源として分解される。

シンプル生化学(第5版)南江堂

アミノ基やカルボキシル基など、有機化合物は高校生の時に化学で学習した方も多いのでは?と思います。

教科書なので少し難しいことが書かれていますが、つまりアミノ酸がたっっっっっっくさんくっつくとたんぱく質になる!ということです。

ダイエットにおけるたんぱく質の大切さは以前こちらの記事で解説しましたね。

つまりダイエットに必要なたんぱく質をつくるアミノ酸も欠かせないということだね!

そしてアミノ酸はたんぱく質の原料になるだけではなく、他の生体成分の合成にも用いられますし、エネルギー源にもなります。

飢餓状態や糖尿病など糖質がエネルギー源として利用できない場合にはたんぱく質が分解され、得られたアミノ酸がエネルギー源として分解される」とありますが、これも超重要ポイントですね。

つまり、体に全然糖質がないような状態(極度の糖質制限など)になると、エネルギーをつくるためにたんぱく質が分解されてしまうんです!

運動前などに少し糖質を摂取した方が良い、と言われているのはこのためなんですね。

せっかく筋トレをしても、全く糖質が体内になかったら、逆にたんぱく質が分解されてしまうんだね。

アミノ酸について、なんとなく理解していただけましたでしょうか?

アミノ酸の種類

アミノ酸はたくさんくっついてたんぱく質を構成するもので、エネルギー源にもなる!という風に理解いただけたと思います。

次はたんぱく質を構成するアミノ酸の種類について解説していきます。

アミノ酸は自然界には数百種類ありますが、たんぱく質を構成するアミノ酸はたったの20種類です。

ちなみに、天然のたんぱく質に含まれるアミノ酸はすべてα-アミノ酸と呼ばれる種類のアミノ酸だよ。

20種類、分類もあわせて表にするとこんな感じです。

分類 名称 英語表記
中性アミノ酸 脂肪族アミノ酸  

グリシン

glycine
アラニン alanine
分枝アミノ酸 バリン valine
ロイシン leucine
イソロイシン isoleucine
ヒドロキシアミノ酸 セリン serine
トレオニン threonine
含硫アミノ酸 システイン cysteine
メチオニン methionine
酸アミドアミノ酸 アスパラギン asparagine
グルタミン glutamine
イミノ酸 プロリン proline
芳香族アミノ酸 フェニルアラニン phenylalanine
チロシン tyrosine
トリプトファン tryptophan
酸性アミノ酸 アスパラギン酸 aspartic acid
グルタミン酸 glutamic acid
塩基性アミノ酸 リシン lysine
アルギニン arginine
ヒスチジン histidine

性質の違うさまざまなアミノ酸がありますね。

このほかにもさまざまな分類があります。

栄養学的に見た分類(必須アミノ酸or非必須アミノ酸)やアミノ酸代謝の観点から見た分類(糖原性アミノ酸orケト原性アミノ酸)など。

必須アミノ酸について

今回は栄養学的に見た分類(必須アミノ酸or非必須アミノ酸)が重要になってくるね。

ヒトに限らず動物には、自分自身では合成不可能なアミノ酸があります。

それらを必須(または不可欠)アミノ酸と呼び、体内で合成できないので食事から摂取する必要があります。

必須アミノ酸は食事からしっかり摂取しないと発育障害をおこしてしまうこともありますので注意が必要です。

必須アミノ酸は、以下の9種類です。

  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン
  • リシン
  • トレオニン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • ヒスチジン

これらはダイエット中の方に限らず、健康にために日々摂取する必要があるアミノ酸です。

そして、必須アミノ酸の中でも筋肉の維持や合成に最も重要な役割を果たしているアミノ酸が、

  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン

で、先ほどの表の分枝アミノ酸の3種類です。

分枝アミノ酸はBCAA(Branch-Chain-Amino-Acid)と言われ、ダイエットや体作りに注目されている成分です。


分枝アミノ酸BCAAをとることで期待できる効果は?

分枝アミノ酸BCAAは必須アミノ酸の中でも筋肉の維持や合成に最も重要な役割を果たしているアミノ酸である、と前述しました。

分枝アミノ酸BCAAは筋肉中に多く存在し、筋肉中で代謝されてエネルギー源になるという性質をもちます。

そのため、なんとなくイメージできると思いますが、BCAAを摂取することでトレーニング効果のアップが期待できます。

また、これも前述しましたが、 飢餓状態や糖尿病など糖質がエネルギー源として利用できない場合にはたんぱく質が分解され、得られたアミノ酸がエネルギー源として分解される という性質があります。

ということは、エネルギーが足りない場合、筋肉中のBCAAが分解されてしまい、筋肉が損傷してしまったり、トレーニング効果がなくなってしまったり、という結果につながるのです。

なので、運動中に分枝アミノ酸BCAAを摂取することで筋肉の分解を防ぎ、トレーニング効果が高まる可能性が期待されているのです。

分枝アミノ酸BCAA、注目の成分だね!

サプリやドリンクなどいろいろな方法でとることが出来ますが、実はホエイプロテインは分枝アミノ酸BCAAが豊富に含まれているんです。

プロテインの記事でも解説しましたが、やっぱりトレーニングする人にはホエイプロテインがオススメですね。

アミノ酸スコアとは

ここまでアミノ酸について主に性質の面から解説してきましたが、最後にアミノ酸スコアについて解説します。

アミノ酸スコアってよく目にするけどなんのことだろう?

アミノ酸スコアは、下記の式で表すことが出来ます。

タンパク質中の第一制限アミノ酸含有量÷評定パターン中の同アミノ酸含有量×100

第一制限アミノ酸とは、含有量が一番少ないアミノ酸のことです。

評定パターンとは理想的アミノ酸組成として1985年に提唱されたもので、第一制限アミノ酸はどれなのか?を調べるために決められた数字と考えてもらえれば大丈夫です。

つまり、含有量が一番少ないアミノ酸に合わせて、すべてのアミノ酸が利用される、ということです。

ちなみにアミノ酸スコアのマックス値は100です。

有名なのがこちらの図ですね。

桶の論理の画像です
桶の論理の画像です

板の高さがそろって水が満タンになっている方が、全ての必須アミノ酸がアミノ酸スコア100でバランスよく取れている状態です。

この状態であれば、すべてのアミノ酸が利用されます👍

対して板の高さがバラバラの桶の方は、一番低いところに合わせて水が漏れてしまっていますよね。

これが桶の論理ともいわれるもので、アミノ酸スコアが100のものがあっても一番含有量の低いアミノ酸に合わせてすべてのアミノ酸が利用される、ということを示しています。

アミノ酸スコアの式とかは難しかったけど、図を見るとわかりやすいね。

ただ、食事をとるときにすべての必須アミノ酸についてこれを計算するのって超大変ですよね!

実はアミノ酸スコアがほぼ100でめちゃくちゃ優秀なものがあるんです…

それが…



プロテインです!

すべてのプロテインがそうというわけではないのですが、アミノ酸スコア100と表記されてるプロテインは多いです。

プロテインを買う際にそんなところにも注目してみてください。

まとめ

アミノ酸についてまとめるとこんな感じです。

  • アミノ酸はたんぱく質の原料になるだけではなく、他の生体成分の合成にも用いられますし、エネルギー源にもなる
  • 飢餓状態や糖尿病など糖質がエネルギー源として利用できない場合にはたんぱく質が分解され、得られたアミノ酸がエネルギー源として分解されてしまう
  • 必須(または不可欠)アミノ酸は、体内で合成できないので食事から摂取する必要があ
  • 分枝アミノ酸はBCAA(Branch-Chain-Amino-Acid)と言われ、ダイエットや体作りに注目されている
  • 運動中に分枝アミノ酸BCAA(ホエイプロテインに多く含まれている)を摂取することで筋肉の分解を防ぎ、トレーニング効果が高まる可能性が期待されている
  • 含有量が一番少ないアミノ酸に合わせて、すべてのアミノ酸が利用される(アミノ酸スコア)

今回も長い記事になってしまいましたが、アミノ酸について理解していただけたでしょうか?

これからの健康生活に生かしてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました~!!

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